スーファミサウンド劇場 第1話 Tokyo Indiesにて


2016年4月12日、渋谷の道玄坂の某所で行われたTokyo Indies

月1回のペースで個人のインディーゲーム開発者のプレゼンと飲み会が行われるイベントである。

この日、僕はPA GamesさんのDRANEKO SLAYER(ドラネコ スレイヤー)というゲームに衝撃を受けた。

なぜならば、それがスーパーファミコン実機で動作するゲームであったからだ。

◆エキセントリックな、謎の魅力

ちょうど同じ時期に、僕はAQUEDUCTというインディーのゲーム開発チームでディレクションをさせてもらっていた。自分が提案したスマホ向けの音楽ゲームをより親しみやすいものにするために、オリジナルの楽曲をレトロゲーム風のシンセやサンプラーで録音して実装することを考えていた。

そういえば、スーパーファミコンのゲームのサウンドって、実際のところどういう仕組みで鳴らしているんだろうか。音楽を鳴らすという観点では、PPSE部さんが本格的にスーパーファミコンの音源をエミュレーションできるC700という音楽制作用のプラグインソフトをリリースしており、やろうと思えば誰でもサウンドデータを作ることは可能になっている。

しかし、一般的な感覚でいうと、それをスーパーファミコン実機で動く自作ゲームの中で鳴らすというのは、とても個人のレベルではありえない話である。そのエキセントリックさに魅力を感じた僕は、DRANEKO SLAYERのサウンド開発の担当者がいれば、ぜひ話を伺いたいと思っていた。

◆ご縁があれば

いろいろと考えていたのもつかの間、DRANEKO SLAYERのプレゼンが終わる頃、なんとPA Gamesさんはサウンド担当を募集し始めたのである。

「あの子、サウンド募集してるよ。プレゼン終わったから声かけてきなよ」

と、会場で知り合った年上のクリエイターさんが背中を押してくれたのを覚えている。

しかし自分にはサウンドドライバを開発できる人を募集しているように聞こえた。これでは単に曲作りができるだけだと、圧倒的に力不足なのである。

僕がやりたいことは本質的に作曲であるが、PA Gamesさんの情熱に負けないくらいのスーファミ育ちではある。また、C700を通してのスーファミのサウンド制作をかじり始めていたこともあり、譜面データやサンプリングデータ(音色セット)の提供など、何かしら力になれるのではないかと思った。

既に会場は飲み会モードに入っていたので、DRANEKO SLAYERのプレゼンをしていた方に声をかけようとしたが、すでに他の方と話し込んでいたようだった。この後のAQUEDUCTの打ち合わせで時間がなかった僕は、モヤモヤしながらも会場を後にした。そう、今はネット経由でコンタクトを試みるという方法がある。もちろん連絡先は知らないが……

つづく